3人のレンガ職人
今日は「3人のレンガ職人」の話をします。
とても有名な寓話なので、知っている人も多いと思います。
いろんな「3人のレンガ職人」の話を聞いてきましたが、面白いことにこの寓話は、語り手によって細かいストーリーが変わってるんですよ。
語り手がストーリーを使って何を伝えたいのかに着目してくださいね。
私はミッションの説明のときに、この寓話をよくお伝えしています。
ある街を旅人が歩いていました。
旅人が歩いていると、レンガを積んでいる人を見かけました。
旅人はレンガ職人に向かって「何をしているのですか?」と尋ねました。
するとレンガ職人は「親方に言われたとおり、レンガを積んでいるんだ。」と言いました。
旅人はレンガ職人に挨拶をして、また歩き始めました。
しばらくすると、旅人は2人目のレンガ職人がレンガを積んでいる姿を見かけました。
旅人はここでも同じように「何をしているのですか?」と尋ねました。
2人目のレンガ職人は、「生活のため、家族を養うために働いている。」と答えました。
旅人は2人目のレンガ職人に挨拶をして、また歩き始めました。
しばらくすると、旅人は3人目のレンガ職人がレンガを積んでいる姿を見かけました。
旅人はここでも同じように「何をしているのですか?」と尋ねました。
3人目のレンガ職人は「大聖堂をつくっています。大聖堂ができることで多くの人は悩みから救われ幸せになれるでしょう。」と言いました。
旅人は3人目のレンガ職人に挨拶をして、また歩き始めました。
ミッションのエネルギー
話を整理しますね。
旅人は3人のレンガ職人に「何をしているのですか?」と同じ質問をしています。
同じ質問ですが、答えがまったく異なります。
1人目のレンガ職人は「親方に言われたからレンガを積んでいる」
2人目のレンガ職人は「生活のため、家族を養うために働いている(レンガを積んでいる)」
3人目のレンガ職人は「大聖堂ができることで多くの人は悩みから救われ幸せになれるからレンガを積んでいる」
特筆すべきは、3人とも同じレンガを積むという単純作業です。
同じ立場で、同じ仕事をしているけれど、答える内容が全く異なっているのです。
1人目と2人目のレンガ職人にはなくて、3人目のレンガ職人が持っているものは何でしょうか?
それは、ミッションです。
そうなんです。3人目のレンガ職人はミッションやビジョンを持っています。
3人目のレンガ職人はミッションやビジョンを役に立たせているのです。
ちょっと待ってください!
さすがに1人目のレンガ職人はないけれど、2人目のレンガ職人の「生活のため、家族を養うために働く」ことはミッションではないのでしょうか?と思われる人もいると思います。
この場合、2人目のレンガ職人がミッションを役立てていればそれはミッションになります。
しかし、「生活のため、家族を養うために働く」ミッションが実際に役に立っていなければ、それはミッションではありません。
ようするに、その人がミッションを役に立たせているか、死なせているかの違いです。
「多くの人が悩みから救えて幸せになる」と思って仕事をしている人に、人は共感します。
ときには彼をサポートし、彼を応援し、彼のファンになる人だって出てくるでしょう。
良いミッションは自分自身にエネルギーを与え、他人を共感させるのです。
とても大切なことなので、もう一度言いますね。
良いミッションは自分自身にエネルギーを与え、他人を共感させます。
成功を金銭で測ることはできない。どのように人生の旅をし、人間としてどれだけ成長したのかが問われるのだ。
ハワード・シュルツ(元スターバックスCEO)
私のクライアントには、すでに3人目のレンガ職人になられている人が何人もいます。
コーチングをしていても、彼ら、彼女たちから学ばせてもらうことが多々あります。
彼ら、彼女たちは、言っています。
「3人目のレンガ職人は、自己肯定感の高い人ですね。」と。
私もまったくその通りだと思います。
「自分自身にエネルギーを与えてくれるミッションは何か?」考えてみる。