他人と比較しない?
「他人と比較しない(比べない)」
自己肯定感を高めるうえでよく耳にする言葉です。
自己肯定感関連の書籍でも、よく書かれている言葉ですよ。
実はこの「他人と比較する」という言葉、とらえ方だけでも専門家によって解釈がバラバラなんです。
ここで「他人と比較する」ことについて、様々な意見があるので載せてみました。
- 他人と自分を比較しないで、自分の軸を大切にしましょう。
- 自己肯定感が高い人であれば良いですが、自己肯定感の低い人が他人を比較することは感情をすり減らしてしまう。
- 他人と比較する癖があるかぎり、自己肯定感を高めるのは難しいのが現実です。
- 他人と比較する癖に心当たりがあるなら、今すぐやめましょう(禁止にしましょう)
いかがですか?
どれも「他人と比較しない」ということがニュアンスがありますね。
ここで、あなたに質問です。
「他人と比較しない」って出来ていますか?
相対的な判断
「他人と比較しない」
おそらくなかなか出来ることではないと思います。
意識的に比較しないことは出来ても、無意識的に比較していることがほとんどだと思います。
たとえば、テストがあります。
テストの平均点を知れば自分の得点の位置が分かりやすくなります。
その平均点が、良い点数だったとか、悪い点数だったとかの基準になります。
また、4対4の合コンがあったとします。
合コンに参加されている人は、相手の4人の性格や容姿、服装や職業など、その人の基準で4人を判断したりします。
この人はオシャレだけれど話がつまらない。
隣の人は、話が面白いけれど全然オシャレじゃない。
その隣の人は、聞き上手でかっこいいし、年収の高い仕事をしている。
端の人は、大人しくて見た目は普通だけれど、この中で、おもいやりの1番ある人だなと思う。
心理学と行動経済学の教授であるダン・アリエリーはこう言っています。
人間は、ものごとを絶対的な基準で決めることはまずない。
他のものとの相対的な優劣に着目して、そこから価値を判断する。
ダン・アリエリー
そうなんです、相対的に物事を見て判断しているのです。
人間は、何かや誰かと比べることで、物事を判断しているのです。
私達は物事をなんでも比べたがります。
それが人間の特徴なんです。
それなのに、「人と比較すると自己肯定感は下がる」とか「人と比べることはダメです」と言われるのです。
そうすると、「また比べてしまってるな〜」「そんな自分ってダメだな」と思ってしまうのです。
これこそ自己肯定感を下げる要因になります。
何かや誰かと比べてしまうのは、人間のそもそもの特徴なんです。
そこを理解することが、とても重要になります。
ビジネスでの応用
ビジネスの話でも、「相対的は判断基準」は利用されます。
たとえば、飲食店。
高い値段のメニューをのせると、たとえその料理を注文する人がいなくても、お店全体の収入は増えるのです。
たいていの人は、メニューの中で一番高い料理を注文しなくても、次に高い料理なら注文するようになります。
高い値段の料理を1つのせることが、2番目に高い料理の注文をいざなうアンカーになるのです。
この考え方も人間の「相対的な判断基準」を応用しているのです。
飲食店のメニューを見ていたら、明らかに「相対的な判断基準」を取り入れられていて、メニューにしているお店もありますので、今度、飲食店に行く機会がある場合はチェックしてみてくださいね。
ニュートラルなポジション
「他人と比較する」ことは、ニュートラルなポジションにあります。
その比較する人の意味づけや考え方しだいで、「他人と比較すること」が良いことにも悪いことにもなります。
他人と比較して自信を失ったり、みじめになったり、嫉妬したりするのは、物事を悪いふうに意味づけされています。
一方、他人と比較してさらに頑張ろうと思ったり、感謝したり、自信がついたり、力強くなれるのは、良いふうに意味づけされています。
悪いふうに意味づけされているからといって、「他人と比較する」ことを辞めようと思っても、なかなか辞められるものではありません。
何度も言ったとおり、「他人と比較する」ことは人間の特徴だからです。
それよりも、アプローチすべきは「意味づけ」や「考え方」です。
悪い意味づけを、良い意味づけに変えていくのです。
簡単なことではありません。
しかし、難しいことでもありません。
要は、やるかやらないかです。
意味づけ、これこそが自己肯定感を高める大きなポイントになります。
何度も何度も意味づけのトレーニングによって、多くの人たちが意味づけが上手になり、主体性が上がり、自己肯定感を高めています。
意味づけの内容は、またの機会にお伝えしますね。
今回の「相対的は判断基準」は、今後も別の観点からお伝えできればと思っています。
このブログが、あなたの自己肯定感を高めるきっかけになれば嬉しいです。
人間は、ものごとを絶対的な基準で決めることは難しく、他のものとの相対的な優劣に着目して、そこから価値を判断していることを理解する。