利(き)き目
突然ですが、あなたの利き腕はどちらですか?
右利き?
左利き?
それとも両利き?
突拍子もない質問をしています・・・。
きっと、どれかに当てはまると思います。
では、あなたの利き目はどちらですか?
「利き目なんてあるの?」
と思われている人もいるかもしれません。
実は、利き腕と同じように利き目もあるんです。
では、どうやって利き目が分かるのかをお伝えしますね。
目の前に指で丸をつくってください。
そして、その丸の中に何でもいいので対象物を照準に入れてください。
たとえば、部屋に人形があれば、あなたの目の前の丸を通して人形を見てください。
こんな感じ・・・
そして、右目を閉じてください。
つづけて、左目を閉じてみてください。
目を閉じたときに、人形(対象物)が消えた場合、その閉じた目の方が利き目になります。
仮に右目を閉じたときに、対象物が消えた場合、右目が利き目になります。
いかがでしたか?
2つの目で見ていたと思っていましたが、実は、利き目で照準を合わせているのです。
もう片方の目は、全体的なバランスをとって見ている感じです。
この利き目は、スポーツでも生かされます。
横浜DeNAに伊藤光というプロ野球選手がいます。
彼はトレードで横浜に移る前に、オリックスバァファローズにいました。
打撃の良いキャッチャーですが、オリックス時代に突然、彼はバッティングの調子が悪くなりました。
打率がどんどん下がっていきましたが、彼は不調の原因を突きとめました。
不調の原因は、なんと利き目が変わったからだそうです。
利き目が変わったことで、今までの感覚にズレが生じたのです。
今では適応できて、強打を取り戻しましたが、利き目1つで大きく結果が左右された例になったと思います。
ここで利き目について伝えておきたいことは、2つの目で見ていたと思っていたことが、実は、利き目で照準を合わせていること。
つまり、利き腕と同じように、どちらかの目が優位であるということです。
利き感覚
利き腕、利き目があるように、利き感覚というものがあります。
人間の五感を大きく以下のように3つに分けます。
- 視覚(Visual)
- 聴覚(Auditory)
- 体感覚(触覚、嗅覚、味覚)(Kinesthetic)
頭文字をとって、VAKと言いますね。
これら3つの感覚のうち、どれかがあなたの利き感覚になっています。
自分で、どの感覚が優位に働いているか分かりますか?
利き感覚を知るのに1番良い方法は、 「言葉」です。
つまり、あなたが話せれている言葉や、誰かが話されている言葉に注目するのです。
たとえば、あなたにある人が相談しています。
「自分のこれからの将来が見えないんだ。」と言われました。
この場合、相手の利き感覚を予想することができます。
なんだか分かりますか?
相手の言葉に注目します。
「自分のこれからの将来が見えないんだ。」
「見えない」という表現を使っています。
つまり、視覚(V)が利き感覚の可能性が高くなります。
一方、同じような意味で「自分の将来に不安を感じているのだ。」とあなたに相談する人がいるとします。
この場合、相手の利き感覚は何だと予想できますか?
「自分の将来に不安を感じているのだ。」
「感じている」つまり、体感覚(K)が利き感覚の可能性が高いです。
「自分のこれからの将来が見えないんだ。」と言っている人に
「どうしてそう感じるのですか?(思うのですか?)」と聞くと
相談者は「別にそう感じているとかでなくて、見えないことが悩みなんです」となります。
どちらも同じような意味ですけれど、利き感覚のとらえかた次第で別のもののようにとらえられることがあります。
まさにミス・コミュニケーションですね。
こういう場合、相手の利き感覚に合わせて、「どのように見えないのですか?」「今、見えるものは何ですか?」というように視覚の感覚に合わせることで、相手が受け取りやすくなります。
あなたはどの利き感覚をお持ちですか?
学び方
今まで、ほとんどの学校教育では、本を読んで学ぶことがベースになっていると思います。
様々な意見がありますが、ここでは本を読むことは、利き感覚でいうと、聴覚(A)にあたることにしています。
自分の言っていることを自分が聞いているからです。
本を読んで勉強していきますが、活字からあまりイメージがわかないこともありますし、もう1つ理解できないことを経験されている人も多いと思います。
そして、イメージできないこと、理解できないことを、自分自身で責めるのです。
ひょっとしたらイラストや絵や動画などの視覚(V)で理解しやすいタイプかもしれないのに、苦手な本を読む(A)ことで理解できない自分を、「私はダメだ。」「私はバカだ。」というように責め始めるのです。
そして、自分を否定して、自己肯定感を下げるのです。
学校は、学び方には唯一の正しい方法があり、それは誰にとっても同じであるという前提に立っています。
したがって、学び方が大きく違う生徒にとっては、学校での学び方は苦痛以外の何物でもないのかもしれません。
ひょっとすると体験したり、感じることで物事を理解しやすい体感覚(K)が利き感覚かもしれません。
視覚で判断したり理解するのが得意かもしれませんし、音やリズムや声で判断したり理解するのが得意かもしれません。
ここで大切なポイントは、自分がどの利き感覚を持っているかを知り、自分にあった学び方を積極的に取り入れること。
そして、理解できない自分、イメージできない自分、もの覚えが悪い自分というように自分自身を責めることを辞めることが大切です。
自分に合った学び方をただ知らなかったんです。
私は自分が話すのを誰かに聞いてもらうことによって学ぶことが得意です。
無意識からアイデアが浮かんできたり、頭が整理されてきます。
これはピーター・ドラッカーも得意としたやり方です。
自分が得意とする感覚、苦手とする感覚を知っているだけで、学び方、そして伝え方の質が大きく変わりはじめます。
伝え方
「何回やっても分からないな」と思うこともあるかもしれません。
「何度同じことを言わせるの?」と言われたことがあるかもしれません。
そのとき、反応的に自分を責めてしまってはいけません。
学び方、伝え方には様々なアプローチが存在します。
自分に合った学び方、伝え方があります。
この考え方はビジネスや広告でも使えます。
あなたが、商品やサービスをお客さに提供しているのなら、お客さんの利き感覚に合わせた方が、伝わりやすくなります。
もしお客さんの利き感覚が分からなければ、視覚、聴覚、体感覚のアプローチをすべて入れるのも効果的です。
あなたがお客さんにシャンプーを販売するのなら、シャンプーのデザインや使用後の写真を見せて視覚に訴えかけるのもいいです。
シャンプーを使われているお客さんの声を伝えて聴覚に訴えかけるのもいいです。
シャンプーの良い香り、髪の良い香りを伝えて体感覚に訴えかけるのもいいですね。
あなたはどの感覚に訴えかけられると魅力的に感じますか?
おそらく、それがあなたの利き感覚になるかもしれません。
自分のVAK(視覚・聴覚・体感覚)を把握することは有意義なことです。
同じように、家族や友人もそうです。
そしてお客さんのVAKを把握して、データにしてビジネスに生かすことも、本当にお客さん想いだと感じます。
今回は長い記事になりましたね。
あなたの感覚をあなたがより深く知ることができて、上手く活用することができれば嬉しいです。
そして、簡単に自分自身を責めたりする習慣をもしお持ちなら、今すぐ手放してくださいね。
自分を責めることが頭の中にあれば、すぐに取り除いてください。
そして、代わりに自分の得意な感覚をどうやって使おうかということにフォーカスしてください。
思考は現実化します。
利き感覚という概念を知る。
自分の利き感覚を知る。
誰かの利き感覚を知ろうとする。
自分の感覚に合った学び方を試してみる。
すべての感覚(VAK)を駆使して、コミュニケーションをしてみる。
まず反応的に自分を責めるクセや習慣を手放す。